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ベルギー奇想の系譜展 [Exhibition 2017]

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2017年5月28日
兵庫県立美術館





(今回から友の会会員となった。8回の制限内なら同伴者もフリー・エントリーできるので、使い方によってはお得デス。)

さて、今回はかなりド真ん中近くの展覧会。Bosch、Khnopff、Delvaux、Magritte。ブリュッセルの王立美術館はこの手の作品が多くて楽しかったのだ。マグリットだけは「独立」して別の美術館になってしまったが。

しかしこの「不思議の系譜」は・・・入り口の解説にも書かれたとおり・・・時代によって大きく分断されているのだ。「畏れ」を促すものとしての怪奇(宗教改革前)と、日常から逃避する手段としての怪奇(産業革命・近代化後)と。人の想像力は変わらねど、それが使われる動機は大きく異なるわけだ。

まずはBosch。といっても本人作かどうかは解らず、「ボス工房」の作品、あるいは「ボス派」の作品とされる。展示会広告のキー・ビジュアルとして使われた「Tondal’s Vision」は「これぞボス」という面白さ。

意外だったのはBruegel。大衆を描いたスケートの作品とかしか知らなかったので驚いた。こんな作品も書いていたのか。「The Templation of St. Anthony」の力強さ。「Big Fish Eat Little Fish」の生々しさと、空飛ぶサカナ(?)のユーモラス加減がたまらない。クジャクは「Pride」の象徴。

そしてまた以外なのがRubens。エングレーヴィングのタッチが恐ろしく力強い。「St. Michael Fighting the Rebel Angels」は油彩以上の表現力を見て取れる。

時代は飛んで世紀末、今回の発見はRopsという作家。ブリュッセルでも見ているのだろうけれど記憶に無かった。「Death at the Ball」や「The Calvary」は、もうほとんど現代作品のようなイマジネーションと構図。

寂しかったのはKhnopff。展示作品がちょっと貧相だ。図録には他の作品も載っているので、東京から移動の際にオミットされてしまったのだろう期待していただけに残念だ。「The Incense」は写実性が耽美につながるという意外性。

Delville「The Stymphalian Birds」がスゴイと思ったら、この人、日本のプログレ・バンドGerardのジャケで使われてたな、そういえば。de Nuncquesの「The Canal」は不安定な構図が生む不気味さのお手本的作品。Ensor「The
Temptation of Christ」でキリストを促しているのは、果たして天使か悪魔か。この人のタッチにはBrutの要素も観察できる。

続いてDelvaux。どこをどう切ってもデルヴォー。だた、もっとそれらしい不気味さを湛えた作品も他にあると思う。「セイレーンの村」とかね。続くMagritteはなんと言っても「The Great Family」が来ているのが売りだろう。日本人の誰もが知ってる大作。現物だけが持つ迫力という点で、この作品の右に出るモノはなかなか無い。

最後は現代作品のコーナー。Lerooyの彫刻がなかなか面白い。髑髏アタマの馬、奇行種のような頭でっかち、「Not Enough Brain to Survive」。アタマがどんなにデカくなってもまだまだ足りないのだ。

なかなか盛りだくさんで楽しい展示でした。リピします。


せっかくなので常設展も見て回る。ゴヤのエッチングがたくさん並んでいる。森村泰昌。フォートリエのエッチングは「アンフォルメル化される前」っぽい形象を保った作品が並ぶ。つまり、それと識別できるカタチが残っている。1945年を境に作風が変化を遂げる。

ジョージ・シーガルと船越桂の作品を撮影する。阿部合成の「見送る人々」は戦中の作品にもかかわらずあまりにアバンギャルド。どんなメッセージが込められているのだろうか。反戦画家のレッテルを貼られたというか、さもありなん。以上で今日の見学を終了。充実してました。
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